何かと敷居が高い中古車。どんなところに注意して選べばいいのか、よいお店の選び方など、謎多し。そこで、今回は年間100軒以上の中古車店を回り、数十台の中古車に関する記事を書く、中古車雑誌編集者のK氏にポイントをお伺いしました。
- どんなお店があるの? 注意すべきチェックポイントは?
- 業界ウラ話からトラブル事例&対応策まで
中古車って、一体どんなふうにおトクなの―? まずは諸経費等の面などを含め、気になるメリット・デメリットを整理してみましょう!
基本的に中古車のメリットは「安いこと」!
K氏によると、「ただ、『安い』といっても、大前提として『法外に安い』ということではなく、『リーズナブル』だということです。新車の価格はメーカーが勝手に決めるモノですが、中古車の価格は、売り手と買い手が納得して(または双方が納得する相場で)、はじめて決まります。『みんなが欲しいモノは高く』、『みんなが要らない!と思っているモノは安い』という原則が貫かれている、ということです。
たとえば、新車時に2000万円するような某『高性能』外車(過給器だの意味のないエアロだの硬いだけのサスペンションだのを適当につけただけで、ン百万円も価格釣り上げて売っている)が、5年くらいであっという間に500万円くらいに値落ちしてしまうのに対して、少量生産で人気も高く、メーカーが命懸けで作ったクルマ(たとえばNSXなど)が新車時800万円で、15年経っても300万円くらいしてしまうことからも、(『人気のあるモノがエライ』という下品な価値観もインクルードされてしまいますが)「リアルなモノの価値」によって、価格が決められていることがわかります。
500万円の5年オチ某『高性能』外車も、300万円の15年オチNSXも、はたまた新車時を上回るプライスを付けられつづけているようなクルマも、十分にリーズナブルということです」
本体価格
いわゆるクルマ自体の値落ちです。例えば600万円くらいの輸入車の場合、3年オチくらいまでは、ざっくり年間100万円は安くなります。取得税
自家用車の場合、新車では取得価格の5%が発生します。で、中古車の場合は1年あたり約60%に評価額が減ります。低年式車(古いクルマ)は取得税がかからないことも多いです。重量税、自賠責
これは、車検が付いてればとりあえずゼロ円。ちなみに、2Lくらいの一般的な国産車の場合、重量税で5万円台半ば、自賠責が3年分で4万ちょっとかかるでしょう。他諸費用
これは販売店によってまちまちですが、大体の場合、中古車のほうが安めです。リサイクル預託金も、最近のクルマは大体新車を買った人が預託済み。
ちなみに本体価格の安さとは・・・?
本体価格の安さというのは、単に年式に応じて値下がるだけではありません。
カーナビゲーション、革製のシートなど、比較的高価なオプションがおトクに入手できます。たとえば新車時に100万円するオプションが付いていたとしても、中古車ではせいぜい30万円ほどしか値上がりません。
不人気色でもいいのなら、さらに安いです。たとえばメルセデス・ベンツやBMWの場合、現在白、黒のボディカラーが圧倒的に人気で、たとえば緑色の高年式なメルセデス・ベンツSクラスなどの場合、同条件の「黒」との価格差は100万円くらい離れていたりします(車体色が違うだけで)。
店舗やオークション代行など、中古車販売店の種類はさまざま。それぞれの概要、長所と短所、「こんな人ならここへ行くべし」という例 をお聞きしました。
正規ディーラー
「いわゆる『認定中古車』をメインに販売している正規ディーラーは、ちょっと高くても安心度が高いと言えます。認定中古車には必ずといっていいほど、法定点検(そして整備)以上の項目のメンテナンスが施されており、クルマにも『保証』が付けられています。ここでいう保証というのは、買った後に故障などのトラブルがあったとき、無料で整備などのサービスが受けられること。また、最近のクルマはコンピュータ診断機無しには整備できないことが多く、『最終的に整備はディーラーに持っていく』ということが多いです。直接ディーラーでクルマを購入すると、ディーラーに持って行きやすくなる点が◎」
K氏のつぶやき:
「とはいえ安心、とは一概には言えない点も。特に輸入車ディーラーは、技術もサービスもマチマチ。過度な期待は禁物です」
メリット:
メーカーの看板で安心!保証付き!
デメリット:
高い。そのメーカーしか、基本的には買えない。
こんな人にオススメ:
基本的には新車購入を考えているけど、1ランク上のクルマに乗ってみたい人! あとは、はじめてクルマを買う人で、あんまりクルマに興味がない人にもおススメ。
一般中古車販売店
「いわゆる街のクルマ屋さんはこれにあたります。大手チェーンも自らクルマを売ったりしてるし、国産車も輸入車も大半はこれ。『○○自動車』とか『○○オート販売』など、よく見かけますよね?言ってみれば玉石混淆の世界で、500台くらい並べてるところもあれば、5台しか在庫を持たない店もあります」
K氏のつぶやき:
「とはいえ、実感として90%くらいの販売店は利潤追求が行き過ぎたダメ販売店ですなぁ。」
メリット:
いろいろなメーカーのクルマを同時に見られることが多い! ディーラー中古車よりかは押しなべて安い!
デメリット:
店ごとに差があり、不安も残る。あまりにも相場より安いクルマばかり並べているショップには気を付けよう!
こんな人にオススメ:
何度かクルマを乗り換えてきている人。逆に、最初はぶつけてもイイや、というつもりで安いクルマを探している人にもおススメ(?)。いくつかのメーカーをまたがってクルマ選びに迷っている人にも。(ホントはディーラーを何軒も回って欲しいけど、物理的に面倒だし)
特定車種販売専門店
「いわゆる『フェラーリ専門店』とか、『フェアレディZ専門店』など、特定の車種を扱う販売店。この手の店は、ディーラーでの整備と比べて、より専門的知識を持っていることから、整備代も安いことが多いです。(詳しく言うと、トラブルの発見が早いので時間工賃が安く、無駄な部品を買えないので部品代も安い)。また、得意なクルマは仕入れも得意で販売も得意なので、専門店のクルマは、意外に高くないです。(今回の特集前半でご紹介したような)レアで古いクルマが欲しい場合は、ディーラーではメンテできる人なんて居やしないし、そもそも取り扱いを嫌がられるので、専門店にGO!」
K氏のつぶやき:
「『○○専門店』なんて名乗ってても、ろくすっぽ技術も経験も無い店も多いので要注意。良い店なんて滅多にない!と覚悟するぐらいの気合が必要」
メリット:
欲しいクルマが決まっているなら、専門店が力になってくれることが多いと思います。
デメリット:
店の敷居が高く、ちょっと入りづらい。
こんな人にオススメ:
ちょっと変わったクルマに乗りたい!と思っている人には、やっぱり専門店がおススメ。ちゃんとしたスペシャルショップと呼ばれているショップは、ホントに頼りになります。仲良くなるとディスカウントしてもらえることも。
オークション
「オークションといっても、『ヤフオクみたいな個人売買』『業者が参加するオークションへの代行』など、色んな種類があります。
・ヤフオク的個人売買
個人売買といっても、現在のヤフオクみたいなものは、業者が出品していることも多いです。『まぁ、店舗で買うよりもちょっと安く買えるかな』ってトコでしょうか。本当の個人売買には、本当に安いクルマが出ていたりもします。
・オークション代行
世の中には、業者向けのオークションの代行を専門的に請け負っている「代行屋」さん的なショップがあります。業者向けのオークションは、いわゆるクルマ屋さんの原価で流通しているので、かなり安いです」
K氏のつぶやき:
「代行屋にも玉石ありますので、要注意」
メリット:
通常のクルマ屋と比べて「在庫リスク」が無い分、安く買える点。また、オーダーしてからオークションで落札するため、希望の仕様が見つかりやすくなります。
デメリット:
現車を確認せずに買うことになるので、気に入らなかった場合にちょっと面倒。また、オークションの採点がいい加減な場合も。
こんな人にオススメ:
車種が決まっている人。相場価格を知りたい人。
外観、内装、試乗など、いろんなチェックポイントをK氏にたずねてみると・・・
概論
「中古車屋(実質的にはコーティング屋や塗装屋や内装リペア屋など)がキレイにしちゃったクルマは、素人にはほとんど診断できません。適当な添加剤をぶち込まれたエンジンは試乗の瞬間だけ元気に回ったりしちゃうし、タイヤワックスをベッタベタに塗ったくられた樹脂部品は、イキがいいんだか悪いんだかわかりゃしない。現車のチェックなんてホントは諦めた方がマシではないかと思いますよ。」 ピシャリと言い放つK氏。そんなあ・・・!! 「とはいえ、目で見て肌で感じることだってあるのでは・・・」と食い下がる編集部に以下のポイントを伝授してくださいました。
外装のチェックポイント
最近の外装修復技術は非常に進化しています。なので、多少のへこみ・キズがあったとしても、別に気にしないほうが良いでしょう。(へこみなんかよりも、グシャッと潰れるような事故を、素人には判らないくらいの巧みさで、不正確に修復されているほうが大問題)気を付けるポイントは以下のとおり。
ボンネット内
ボンネットは必ず開けてみましょう。エンジンルーム内の色と、外板の色が違ったら、全塗装暦アリの確率大(全塗装は事故の加修時に施されることが少なくない)塗装
黒い樹脂部品があるはずのクルマが同色塗装されているのは、ひょっとしたらぶつけたからかも。エアロパーツ
安い社外メーカーのエアロパーツが付いていたら、ちょっとアヤシイかも。歪み
一番確実なのは、欲しいクルマをちょっと離れたトコロから、数台見くらべてみて、「たたずまいがなんとなくシャキッとしてるかどうか」が一番確実です。人間の目は案外正確なので、歪みを直感的に捉えています。
内装のチェックポイント
内装は、リペアされていることもありますが、比較的リアルなクルマが多いです。乗ってる間中、内装しか見えないんだから、内装が綺麗なクルマのほうが、基礎的な満足度は高いです。
ヘタり
まずはハンドルやシフトノブが不自然にヘタっていないかを見ます。(ただし、ハンドルやシフトノブや数千円単位でかなりキレイにリペアできるのであまり問題視しなくてもいいかも。重要ではない) そして、運転席と助手席を座り比べてみます。運転席がビックリするくらいにヘタっていたら、走行距離の巻き戻しがあるかもしれません(シートは単価が非常に高いので、なかなか交換されにくいのです。ただし表皮はリペア可能なので、座ってみなきゃダメ)。日焼け
シートや樹脂パーツがあきらかに「日焼け」していない場合、車庫保管されていたことが期待できます。ペダルの減り
ペダルが減りすぎてるクルマはあやしいです。
試乗時のチェックポイント
中古車はたいてい未整備の状態で展示されています。そして、売約が決まったあとに、販売店がお客さんの顔色を伺いつつ納車整備をするので、試乗は手入れされる前のボロい状態で行うことが多いとのこと。ディーラーの新車にかけられているような保険(一般顧客の運転によるトラブル時にも適用される保険)かは、それぞれのショップやクルマによってまちまちですが、「試乗を断るショップはほぼ間違いなくダメショップです」とK氏。
アイドリングをしよう
できれば試乗前に、アイドリングを30分くらいさせてもらいましょう。O2センサーやウォーターポンプを初めとする、基礎的な補記類のコンディションが判ります(普通のクルマはアイドリングを何時間続けてもウンともスンともいいません)。それを嫌がるショップはダメショップです。ガソリンの量をチェックしよう
ガソリンの量もチェックしましょう。展示車だからといって、ほぼカラに近い状態でほうっておくと、燃料ポンプの周りがダメになることがあります。だいたいそんなクルマに愛のないショップは間違いなくダメ!動かせるものは動かしてみよう
アイドリング中に、パワーウィンドウやサンルーフ、エアコンなどを、ゆっくりゆっくり、時間をおきながら3回ずつ作動させましょう。高速道路を走ってみよう
試乗しても大丈夫なことが確認できたら、試乗はできれば高速道路も走らせてもらいましょう。高速時に音が出たりすることもあります。たとえば外車の場合、高速道路での快適性が命チなので、高速道路を走ってみないとダメです。それを嫌がるショップはダメ
その他のチェックポイント
ワンオーナーの中古車は価値あり
特に高価格なクルマの場合、その高いクルマへの初期投資ができたオーナーは、やっぱり裕福な可能性が高いです。(あまりにも頻繁にオーナーが変わっているクルマは、やっぱり痛みやすい)「整備がどのぐらいなされているか」がキモ
タイヤ、オイル、ゴムブッシュ類など、走行クオリティを高めるための整備がなされていたら、それは愛情をたっぷり受けたクルマ。記録簿を見せてもらえる場合は確認してみましょう。そのような状態で売りに出ている場合、前オーナーが転勤等なんらかの想定外の都合で泣く泣く手放した逸品だった、という可能性も。違和感から目をそむけない
数百万円もする買い物なので、ちょっとでも違和感を感じたら、買わないことをおすすめします。ちゃんとしたクルマは、ホントに違和感なんてありません。クルマ屋は掃いて捨てるほどある!という強気なハートも大切です。









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