CarTime > 弁護士&業界通が語る事故ウラ話 > どんな自動車保険に入るべき?

弁護士&業界通が語る事故ウラ話 知らないと損をする!示談や自動車保険の真相

ウラ話目次へ

自動車保険のこと -元販売員が業界のウラを暴く?!-

事故にあって始めてわかる自動車保険のありがたみ。「どれも同じだから安いのでいい」という理由だけで適当に決めていると後で大変なことに…。


保険会社のパンフレットに書いてあることじゃなく、ぶっちゃけた話を聞きたい。ということで、自動車保険に詳しい業界人のAさんにウラ話も含めて、自動車保険の本当のところを聞いてみました。

編集部:いきなり基本的な質問ですが、どんな自動車保険に入るべきなんでしょうか。補償や特約がいっぱいあってわかりません。

Aさん:その前に、自動車保険の基本はわかっていますか? まず、日本では一般的に、自動車保険は「車」に掛ける保険です。そのクルマに乗っていたときに起こった事故が補償の対象となるんです。最近では「ドライバー保険」と呼ばれる人に掛ける保険もありますが。

そして、これから話す自動車保険というのは「任意保険」のことです。自動車保険には強制加入の「自賠責保険」もありますが、これは補償額が最低限であるため、備えとしてはあまりにも小さい。事故は運転の上手い下手関係なく、誰にでも起こり得ること。そのとき、どれぐらいの損害が発生するかなんて誰にも予測ができない。だから、「任意保険」に加入する必要があるんです。今、日本では8割程度の方が加入しています。

編集部:逆に任意保険に入っていない人が2割もいるのが怖いですね! では「任意保険」の話ということで改めて聞きますが、どんな保険に入るべきですか?

Aさん:絶対に入るべきなのは「対人賠償保険」「対物賠償保険」。しかも両方無制限にするのが基本中の基本! どんな事故にあうかわからないんですから。たとえば相手をケガさせて深刻な後遺症が残った場合。治療費だけでなく収入補償や家の改造費やらで、それこそ数億円の話になりますよ。払えなければあらゆる資産が差し押さえられて無一文に…。ケチって上限を設けたところで、年間の保険料はたかだか数千円しか変わらないんです。もう一度言いますが対人・対物は無制限が基本!

編集部:なるほど!それ以外で入るべきなのは?

Aさん:対人・対物は相手がケガ・死亡したときのための補償。逆に自分がケガ・死亡したときのための補償も必要です。そのための保険は2つ。「搭乗者傷害保険」「人身傷害補償」です。

編集部:2つの違いは何かあるんですか?

Aさん:どちらもクルマに乗っている人すべてのケガ・死亡の損害を補償するという内容は同じ。「搭乗者傷害保険」はケガの部位・症状に応じて決まった額を払うもの(入院・通院日数に応じて支払うパターンもあります)、「人身傷害補償」は実際の損害に応じた額を支払うものという違いがあります。

編集部:それじゃ、「人身傷害補償」にだけ入っていればいいんですか?

Aさん:もちろんそれでもOK。さらに「搭乗者傷害保険」にも入ればダブルで補償を得られます。「搭乗者傷害保険」の年間保険料は5000円程度ですから、安心を求める人は付けておいて損はないと思いますよ。

編集部:対人・対物は無制限が基本ということでしたが、「搭乗者傷害保険」「人身傷害補償」はいくらに設定すべきですか?

Aさん:結論から言うと目安はありません。搭乗者傷害保険の場合は、「死亡の場合1,000万円」と設定することが多いですが、人身傷害補償にも入るなら、そんなに要らないように思います。

一方、人身傷害補償は、誰がクルマに乗るのかで必要額が変わります。死亡時の必要額も十分な生命保険に入っていればゼロでもいいわけですし。ちなみに人身傷害補償にも「無制限」の設定があります。

編集部:なるほど。自分に合った設定額を、保険会社の方などに相談しながら決めるのがベストですね。あとはどんな保険があるんですか?

Aさん:自分のクルマの故障や盗難などの損害を補償する「車両保険」ですね。壊れたら即廃車でいい、というつもりなら入らないという選択肢もありますが、大事なクルマなら入るべき。あらゆる損害を広くカバーするタイプと、補償の範囲が狭くて保険料が割安なタイプがあります。どんな事故にあうかわからないことを考えると、広くカバーするタイプがおすすめ。

ちなみに車両保険には「免責」というものがあります。たとえば「10万円までは自己負担します」と条件をつけることで、保険料が安くなる仕組みです。その上限金額を「免責金額」といいます。個人的には、ここでケチるのは得策ではないと思いますので、免責はゼロにするのがおすすめ。

その他におすすめしたいのは「弁護士特約」。被害者になった場合、人身部分については保険会社は示談交渉を代わりに行ってくれません。プロを相手に自ら交渉を行うのは無謀なので弁護士を雇うことになるでしょうが、費用はバカになりません。この費用を補償してくれるのが弁護士特約です。

→【次】5章:自動車保険のこと「保険会社はどう選ぶべき?」