F1★Girls > F1★Girlsレポ > 2010年レース雑感 by オグたん

F1★Girlsレポ F1の気になるネタを時々レポート

BackNumber

CS解説でおなじみ小倉茂徳さん(オグたん)に2010年トルコGPまでのレース雑感をお聞きしました。各チームの特徴や現在の勢力図を、例え話や雑学を織り交ぜてわかりやすく教えていただきました。TVを観ているだけではわからないドライバーやスタッフの人間模様まで、ウラ話も盛りだくさん!今後のレースがより楽しめること請け合いです。

今年は去年のようにシーズン途中でマシンの基本骨格(モノコックやノーズコーンなど)になる部分の設計を変更することはできないため、劇的な性能改善が望めません。だから、レッドブルとマクラーレンの2強状態がこのまま続きそうです。

アロンソはその辛さを今、感じているかもしれません。今年のフェラーリのマシン「F10」は2強に比べて戦闘力に劣ります。シーズン序盤に見られたようなエンジンのトラブルは改良できましたが、今の勢力図をひっくり返すほどの性能向上は望めません。

そうなると、自分の力で差を埋めるしかない。そういう思いが、中国GPでは「スタート勝負しかない」という考えになって、フライングを招いたのでしょう。いつものアロンソだったらあり得ないことです。モナコGPでもフリー走行で「勝つために」と限界ギリギリのところを探った結果、クラッシュしてしまい、最後尾スタートとなりましたね。

ルノーのクビサも同じ状況です。マシンは速くなってきたのでメルセデスには勝てるかもしれませんが、レッドブルやフェラーリ、マクラーレンに勝つには厳しいことはわかっています。でも、気象条件が崩れたときなど、順当ではない状況になったときをチャンスとして活路を見出そうとしていますよね。ルノー時代のアロンソもそんな戦い方をしていましたよね。勝負師だったパット・シモンズは抜けてしまいましたが、チャンスを見出して勝負をかけるという戦い方は今のルノーのスタッフたちにも引き継がれていますね。

安泰なのはレッドブルですね。ストレートスピードはマクラーレンに少し劣りますが、ラップタイム全体では一番速いです。

ただ、2つ弱点があります。1つはマシンの信頼性。昔のロータスを思い出しますね。限界ギリギリで作っているからとても速いけれど脆さが出やすい。スマートで速いサラブレッドの足が折れやすいのと同じです。トルコGPの予選でアンチロールバーが故障したり、スペインGPではブレーキが壊れたりしましたよね。アンチロールバーもブレーキの冷却ダクトも必要最小限のものにしているのでしょう。ムダが無いということは、レーシングカーには必須条件ですけど、それは想定を超えたことが起きると脆さにつながりやすいのです。

もう1つは「人」。ウェバーとベッテル。2人がここまで競り合うとは。ライバルがお互いにしかいない状況だからそうなるのは仕方がないことですが。

チームメイト同士の対立劇といえばマクラーレンは既に2度経験していますよね。セナとプロスト、アロンソとハミルトン。ロン・デニスは同じ失敗を繰り返しましたが、クリスチャン・ホーナーはどう対処するでしょうか。チーム代表として初の大仕事といってもいいぐらい、腕の見せどころだと思いますよ。

今のウェバーは、ベッテル派が多いレッドブルの中で孤立し、担当エンジニアのシャロン・ピルビームとともに孤軍奮起するしかない状態。でも、87年のウィリアムズのピケのように、孤独だけど、エンジニアと二人で勝つことで道を切り拓くしかないでしょう。でも、ホーナーとしてはどこかで線引きしなければいけません。まだ若いチームですが、これを乗り越えればチャンピオンになるための「勝ち方」がわかってくるはずです。

今のレッドブルの強さは、資金が潤沢ということもありますが、「勝ちたい」という熱い思いがあったからこそだと僕は思います。車づくりにおいては、エイドリアン・ニューウェイの強い思いがありました。彼はウィリアムズやマクラーレンでもチャンピオンを獲りましたが、パトリック・ヘッドやニール・オートレイのサポートがあったからと、自分の手柄としては評価されませんでした。そのため独立してレッドブルへ移り、今度はチーフデザイナーではなくテクニカル・ディレクターとなりました。自分1人の力でやったんだ!という思いを証明したいのでしょう。今は、二人のドライバーと一心同体で戦いあう各担当エンジニアたちや、様々な考えをぶつけあう技術部門のスタッフたちなど、「人」の管理という新たな課題に直面していますが、乗り越えればさらに強くなるでしょう。

元F1ドライバーのヘルムート・マルコ博士が作ったレッドブルのドライバー育成システムが成功したことも要因の一つ。ベッテルやブエミやアルグエルスアリの活躍がそれを証明していますね。

あとはクリスチャン・ホーナーの采配力が今後問われるでしょう。したたかな人だから上手くやるんじゃないかなと思います。2005年のUSGPでミシュラン勢がスタートを辞退するレースがありましたね。あの時の落ち着いた対応を見たときに、彼の器の大きさを感じました。バーニー・エクレストンにもきちんと意見できる人です。元ドライバーの経験もあり、レースへの愛と情熱もある上に才覚もある。あとは利害調整力がついてくれば、バーニーに代わり、将来のF1をまとめてしょって立つ人になるかもしれません。

やはりマクラーレンですね。攻めまくりのハミルトンに、コントロールの上手いバトン。ドライバーのキャラクターが全く違うのも良いのでしょう。今後のレースをおもしろくする存在です。ダントツに速いのはレッドブルですが、クルマの使い方が上手いのはマクラーレン。レッドブルがマシン信頼性や人の管理で脆さを出せば、トップの座を奪うかもしれません。

トルコGPのハミルトンには感心しました。コーナー区間のセクター2ではレッドブルに勝てない。となると、いかにストレートで速く走るか、という方法を必死で模索するんです。そして互角に持ち込みました。ハミルトンが攻めたからベッテルが追い詰められ、ウェバーとのオーバーテイク劇に繋がったわけです。

フェラーリは、アロンソに関しては先述の通り。マッサはどれぐらい伸びてくるでしょうか。復帰後の優勝はありませんが、これはクルマに問題があるのでしょう。でも、今のところ全戦ポイントを獲得しています。以前は勝ちかドタバタという極端なレースが多かったのに、今年はダメなクルマでもしっかり結果を残している。彼も成長したのだと思います。

ルノーは、クビサはもちろん、チームメイトのペトロフにも注目しています。先日のトルコGPではファステストラップを叩き出しました。片輪がコースアウトしてもスロットルを戻さない。そんな度胸があるドライバーです。「僕がロシアの先駆者だったし、これからも僕がパイオニアなんだ」というのですが、彼の走りにその強い意志を感じます。彼の活躍はルノーにとってはうれしい誤算でしょう。条件が荒れたときは、このルノーのコンビはおもしろいでしょうね。

メルセデスに関しては、シューマッハが勘を取り戻してきていますね。ロズベルグはスペインGPでクルマを変えて苦しみましたが、今は慣れてまた速くなってきています。昔、成長株だったプロストが、一度引退して復帰したラウダとチームメイトになり、彼からレースを学んで強くなっていった状況と似ているように思います。ロズベルグも今、戦いながらチームの作り方や、人の掌握の仕方などを学んでいるようです。来年以降、クルマがよくなれば、今の速さに加えて勝負強さをシューマッハから引き継ぐかもしれません。勝負のなかで次の世代を育てるという点でも、シューマッハの復帰は価値あるものだと思います。メルデセスも伝統の常勝マシンのコードネーム「W」を復活したのですから、タダでは引き下がらないでしょう。

フォースインディアは、去年から急成長なかで、持ち前のストレートスピードも速いしコーナリングもよくなって来ています。2人とも速さはあるから、いかにミスをなくせるかが鍵。スタッフをロータスに引き抜かれたので後半から来年への開発が心配ですね。

トロロッソは、ブエミも頑張っているのですが、アルグエルスアリの成長がすごいですね。オフシーズンのテストを経験した賜物でしょう。チームと若いドライバーの成長過程を見守るのも楽しいです。

ザウバーはトルコGPでやっとポイントが取れましたね。お金がないチームだから大変です。ドライバーの頑張りでトップ10前後には並べるようになりました。車の信頼性も上がったので、鈴鹿までにどう持っていくかですね。新テクニカル・ディレクターのジェームズ・キーは末期のジョーダン、ミッドランド、スパイカー、フォースインディアと、限られた資源のなかでうまくやってきた人ですから、その手腕には期待です。

ウィリアムズはモナコで車を壊してしまったのが痛手でしたね。この修復のために、次のトルコに予定していた新フロントウイングの準備が間に合わなかった。ここに、お金も人も足りないという、今の厳しい状況がうかがえます。バリチェロは、昨年みたようにスイッチが入ればシーズン通して良いレースができる人だからもったいないですね。いかんせんクルマが「氷の微笑」。遅いうえになんとかタイムを良くしようと攻めると、限界がつかみにくく、すぐ裏切るんでしょう。ヒュルケンベルグも車を信頼できないことがミスに繋がっているのだろうと思うと、かわいそうになります。去年GP2ではペトロフより速かった人ですから。

女性編集チームがUnique&Savvyなコンテンツをつくります!

GOODS

  • セノ・ビー 幅ひろ君 ブラウン
    ちょい使いに便利な折りたためる踏み台。洗車の時に使ったり、腰掛けたり。
  • ちょっとした荷物を運ぶのに便利な折りたたみ台車
  • かわいいリンゴのキーホルダー。
  • カメラのレンズ部分が光るキーホルダー。暗い場所で活躍。
  • 首元をオシャレに演出。さりげなくUVカットも。

他のアイテムをもっと見る




F1★ Girls携帯サイト
ケータイからも記事を読んだり投票に参加できます!
携帯にURLを送信