
カラーデザイナーは車の外側の色はもちろん、内装の素材や配色まで企画・提案していきます。デザインコンセプト企画段階から、プロダクトデザイナーや企画部署と連携して、車を作り上げていく仕事です。
まず想定するお客様、車のテーマを絞り込み、コンセプトを決めて、イメージを広げていきます。ここからはコンセプトで立てた仮説を検証するため、とにかくリサーチです。
流行色とその背景を調べ、対象となるお客様の好みを調べ、歴代のカラーや素材の変遷を調べ、その上で、この車には何色が一番ふさわしいのか、シートの素材はどれが一番しっくり来るのかなど、考え始めます。対象が中年の男性だったりすると、周囲のおじ様方をリサーチして(笑)、色々とヒントをもらっています。 ビジュアルデザインを学んだ人は広告業界に進む人が多いのですが、私はどうしても“形として残るモノ”が作りたかったんです。トヨタのように世界中に広がる可能性がある製品開発に携れることは、本当に嬉しいことです。―カラーデザインの難しさは?
お客様が車を選ぶ時、大きな選択ポイントの一つになるのが色です。色を作っている技術者の方に、ちょっとしたニュアンスの違いまで細かくお願いしています。
色の流行は繰り返しますので、過去の傾向もよく調べます。今は造形デザインとの兼ね合いで外板色では全体的にメタリックな色が多く使われますが、またマットな色が流行る時代が戻ってくるかもしれませんね。
きっかけは、女性向けを謳っている車が本当に女性に受け入れられているかという疑問でした。「それなら提案してみよう」と、本当に女性が好きなもの・欲しいものを、まずは車に捕らわれずに考えてみました。
その企画提案時期とパッソの特別仕様車の仕様提案時期がちょうど重なり、異例のスピードで実現したんです。
―米田さんのこだわりはどの辺りに?
社内でも「こんな短期間にできるのか?」という声が上がる程、時間に限りがありました。でも“車にあまり興味が無い人”にも振り返ってもらえるような新しい車を作りたかったんです。なので、トマト型フロアマットやビジュアルに訴えるカタログなど、前例の無い企画をどんどん提案しました。
社内プレゼンでも説得に次ぐ説得という感じで、正直かなり大変でした。全てのフロアマットをトマト型に!という提案は安全性の問題で後部座席のみになりましたが・・・。
結果的にはイメージ通りの車ができあがり、販売店を通じてお客様からのお喜びの声も聞くことができました。
―印象的なエピソードはありますか?
今回の特別仕様車ではパッソのシンボルであるプチトマトを、車名ロゴや給油口の部分に配置したり、シートにトマト柄をプリントしたりと、随所にトマトがあしらわれているのですが、「ホイールキャップもトマトにしてみたら?」という意見が男性から挙がりました。でもこれは女性の好みをよく分かっていない証拠・・・。
「さり気なく可愛らしさを演出した方が、女性のアンテナには届きますよ」とお伝えしました。
→米田さんの手がけた特別仕様車「パッソ プチトマコレクション」の公式サイトは>>コチラ
―アイデアの源泉は?
あまり流行を追うということはしません。自分が好きなもの、ピンと来るものを大切にしています。本を読んで言葉を拾ったり、美術館に行ったり、車以外のものから刺激を受けることが多いです。
―米田さんの愛車は?
トヨタのWiLL Viです。
―もしかして、バリバリ米田カスタム?
いえ、違います(笑)。デザインそのものが気に入っているのでカスタムはしてません。街乗り用なので、友人の家に行ったり、近所をちょこちょこと走っています。
―今後手掛けたい車などはありますか?
今まで、若い女性向けという自分に近い対象を中心に考えてきたので、これからはシニアや男性向けなど、自分とは違う世代を対象にした車に携わってみたいですね。
入社6年目にして大役を任されている米田さん。男社会なクルマ業界の中で、おじさまたちと戦って理解を勝ち得たというのは大変な偉業だと思います。自主プレでタイミングを掴み取り実現させたというのも、スゴ腕ビジネスマン顔負けの実行力。恐るべし若きカラーデザイナー・・・。世界のヨネクミになる日も近いかもしれません。今後のご活躍も楽しみです。









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