
2003年からルノー・ジャポンで商品を担当していて、2006年から宣伝販促担当を兼務するようになりました。ルノーといえばモータースポーツを中心に、コアなファンに支持されるメーカーですが、その一方であまりクルマに興味のない方には知名度が低いという事実も。そこでルーテシアの発売を機に「もっと多くの方、特に女性への認知を高めよう」ということで、女性を意識したPRに取り組んでいます。ルノーとして女性をターゲットにしたPRは初めての試みですが、なにしろ周りは“クルママニア”な男性だらけ。上司からも「こうなったら塩田さん、思い切りやっていいよ!」と幅広い仕事を任せられ、かなり自由にやらせてもらっています。(笑)
具体的には、キャリア女性に人気のファッション誌「Oggi」で活躍中のモデル・小泉里子さんをイメージキャラクターにした広告を展開したり、女性を対象に販促キャンペーンを企画したり。発売の前には、販売研修での商品説明や販売マニュアルの制作なども担当しました。ターゲットが私と同年代の女性ということもあり、なるべく自分の言葉で商品のよさを伝えるよう意識しています。
自動車メーカーに勤めていても「実は免許持ってない」「ほとんど運転しない」という人は多いものですが、ルノーはそうじゃないんです。サーキットで走っちゃうようなマニアックな男性がゴロゴロいて、せいぜい土日に運転する程度の私は珍しいほう。特別クルマに詳しいわけでもないので、上司からは「MT車も運転できないの?!」「もっと詳しい商品説明ができないと!」などと言われて、最初は戸惑うばかりでした。今の仕事では逆にこの「普通人の感覚」が役立っているのですが・・・。
私が担当するルーテシアは、2006年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、「ダイナミック」をデザインコンセプトに掲げ、走りの面でも力強さを感じさせるクルマ。実は、このクルマを女性向けにPRすることには各方面から反対がありました。正直言ってこの業界はまだまだ男性が中心で、メーカーもディーラーも媒体も“いかに男性にウケていかに売れるか” が一番気になるところ。
モータージャーナリストの方々からは「記事にしづらい」と言われたり、ディーラースタッフからも「女性向けと謳ったら男性客に売れなくなる」といった不安が寄せられたり。くじけそうになる場面もありましたね・・・。「女性用だから男性はお断り!」と肩肘張るわけではなく、「キラキラ・ピンクで可愛らしく」という発想でもなく、「自律した女性たちに認知されて共感されること」を目指しているのですが、既存の男性ユーザーからも支持を得るためのサジ加減は本当に難しいです。 現在、ルーテシアの女性比率は約40%。メガーヌの20%と比べても多くの女性に選んでいただけています。ただ、“奥様用のセカンドカー”というパターンが多く、想定していた“30代独身女性層”の開拓はまだまだこれから。そのためには、まずルノーというメーカーに興味を持ってもらい、「ルノーは女性の気持ちをわかってくれるメーカー」と感じてもらえるよう、私自身がさまざまな角度からユーザーの声を代弁していきたいと思っています。
取材当日、塩田さんが銀座のオフィスまで愛車で出勤してくれました。(渋滞の中わざわざ・・・ありがとうございます!しかもピッカピカ!)
最初の愛車は日産X-TRAIL、そして2台目となる現在の愛車はやはりルーテシア。鮮やかなボルケーノ・レッドは塩田さんのハツラツとしたイメージにピッタリです。これまでの宣伝業務に加え、初めて市場導入から手がけた車種というだけに、“わが子”が可愛くて仕方ない様子。
「おフランスのメーカー、しかも巨大な日産本社ビルの中にあるオフィス・・・気取った感じの人だったらどうしよう~ヘンなこと聞いて叱られないかしら・・・」と緊張しつつ向かった取材でしたが、気さくでハキハキ、親しみやすいキャラの塩田さんに楽しくお話を伺うことができました。
女性にとって性能や走りはもちろん、「女ゴコロを掴む工夫」は大きなポイント。クルマ選びの幅を広げるキッカケにもつながるだけに、彼女のお仕事は今後ますます重要度を増していきそうです。
「30数名の小さな所帯なので、何か問題が見つかったら部門間ですぐに連携して解決策を練る。なにしろ社員と社長の距離が近いですからね。機動力がスゴイんですよ~」と塩田さん。「どんなに小さなことでもお客様の声は貴重。ご意見やご要望はディーラーやルノーコールを通してドシドシ伝えてほしいです!」とまっすぐなまなざしでおっしゃっていたのが印象的でした。









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